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コミバスシリーズ: 走れ山ゆり号、市民の足を求めて 小平市民の取組、先進事例を探ろう、ムーバスの思想、コミバス地域を作る | |||
市民の足を求めて ― 東京都小平市民の取組 ― PART2 | |||
先 進 事 例 を 探 る 小平市コミバス&タクシーの取組を知ろう! |
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小平市公共交通担当者・市民団体・川崎市民との意見交換会を同時開催 | |||
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「行政と市民の間に対立するような空気があった。今や協同してお互いに進むようになった」と市民代表。 「いや私はそう(対立するような事があったとは)思っていない」と市の交通担当者。 「(コミニティバス運行の)NPO法人を立ち上げれば、補助する、と市が言ったこともあった」 小平市中央公民館での意見交換会でこんな率直な会話が行われた。 2010年8月19日、「小平市コミバス&タクシーの取組を知ろう! 先進事例をチェック」と題し、地元の「小川・栄町コミュニティバスを走らせる会」代表で「小平に循環バスを走らせる連絡協議会」副会長の渡辺進さんにご協力いただき、視察会と意見交換会を行った。 「140万都市川崎では本格的に運行するコミュニティバスやタクシーはありません。18万都市小平市では平成20年コミュニティバス“にじバス”を皮切りに、昨年9月コミュニティタタクシー“ぶるベー号”を運行し、更に今年5月から1年間の実証実験運行を行っています。この違いはなぜでしょうか? 現地で実際に乗って調べてみませんか」というのが今回の目的。 視察会には、川崎市の2団体「長尾台コミュニティ交通導入推進協議会」と「宮前区まちづく協議会交通専門部会」、「クルマ社会を問い直す会」ら11人が参加。2班に分け、3路線を廻り視察を実施した。左写真は小平駅入口のぶるべー号のバス停で2班がちょうど交代で乗車するところ。後方のクルマは視察に対して運行タクシー会社(小平交通、東京昭和運輸)が満席用にわざわざ予備として伴走してくださったものだ。 午後6時、小平市中央公民館にて、市の都市開発部公共交通担当の滝沢清児参事と星野賢ニ主査、地元の走らせる会の2人の参加をいただき、計15人で意見交換会を行った。川崎市にコミバスを走らせようとする人々の質問が白熱し、予定の2時間をやや延長。その後、渡辺代表を囲んで懇親会も行い交流を深めた。 渡辺代表は意見交換会で次のように話をしている。「コミタク事業は行政と市民の協同事業の代表例だ。市民が加われば、中味が変っていく。長い紆余曲折があったが、コミタクの先進事例になった。その理由として、賛同会員が多かったこと、例会・年次総会を必ずやったこと、専門家の鈴木文彦さん(フリーの交通ジャーナリスト)にもアドバイザーになってもらったことだ。大事なのは楽しくやることだ」。 市の公共担当者は「黒字になることは出来ない。必ず赤字になる。赤字を減少させるためには地域の方に支えてもらわなければならない」と述べ、その成果を次のように評価している。「日中の生活交通が便利になった。更に地域の活性化が進んだ。住民に家から出てもらって、初めて地域が活性し、地元の商店にも来るようになり、コミュニティも活性する。大きく考えれば、自家用車を減らすことが出来て、明日のためにも地球のためにもなる」。 「小川・栄町コミュニティバスを走らせる会」事務局長の田辺さんは「会員の平均年齢は70から80代。皆が歩いて署名活動をしてくれた。頭がさがる。皆に声をかけて、定例会を必ずやることだ。『小川・栄町 コミタク便り』を発行して無料配布し、関心をもってもった」 「署名から スタート始めた コミバスは 足掛け7年 タクシーに変更」 E.O. 「思いのほか 長きにわたり 年かさね 今は歩行器と 共に出歩く」 E.O. (コミタクに歩行器もつんで行動できるので大助かりです) 『小川・栄町コミタク便り』2010年6月第13号より 平成14年(2002年)3月発行の「小平市コミュニティバス運行基本計画調査 報告書」には次のように書かれている。 「小平市コミュニティバス研究会はちょっと変わった研究会と思われるかもしれない。たかが小型バスを走らせるだけなのに、なぜこんなに時間がかかるのか、という声をよく耳にする。 この研究会の発足は平成13年5月だった。その前に市職員で構成された小平市バス網対策研究会から数えると、すでに3年になる。たしかに、これは短い時間ではない。 このように、時間をかけてコミュニティバスについて検討しているのは、それなりに理由があるからである。 まず第1に、小平市の身の丈に合ったコミュニティバスをめざすことに心血を注いだ。わたしたちはかねてから、コミュニティバスは既製服であってはならず、注文服でなくてはならないと考えている。そのためには、小平市の実態を的確にとらえ、市民の真のニーズを見きわめなくてはならない。それに多くの時間を割いた。 第2に、コミュニティバスの場合、実現に至る過程(プロセス)こそが大切であると考え、この過程に時間をかけたのである。市民のニーズにしても、建前ではなく、本音を聞きださなくてはならない。通り一いっぺんのアンケート調査ではなく、グループインタビュー調査という手間ひまのかかる方法を取ったのも、そのためである。 わたしたちは会議の席で資料や調査結果を分析し、意見を交わすだけではなく、自分の目で確かめようと何回も市内を歩き、小型バスで試走してみた。その際、公募で研究会に参加した市民委員の方が果たした役割が大きかったことは特筆されていいだろう。 こうして、今回の「小平市コミュニティバス運行基本計画調査報告書」をまとめた。その過程で、わたしたちは確かな手応えを得ている。小平市へコミュニティバスを導入することによって、高齢者や主婦が出かけやすくなる、鉄道を東西方向で連絡できる、といったことが可能になるという見通しを得ることもできた。 小平市がめざす「まちづくりと交通の連携」------それはアメニティの創出といってもいい。それをいかに実現するか、研究会は平成14年度もコミュニティバス運行実施計画の策定に向けて、調査研究を続ける予定である。この報告書がコミュニティバスについての理解を深める一助になり、その実現の先駆となることを願ってやまない。 小平市コミュニティバス研究会会長 岡 並 木 小平市コミュニティバス研究会副会長 山本 雄二郎」 2010.9 文責・写真:高橋 |
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☆にじバスの費用 | |||
20分間隔で常時2台走らせ、予備1台の計3台で運行。1日700人弱が乗車。年間2,400万円の補助を出している。運行会社の西武バスがバスを購入してその5年間の償却費を補助している。 平成20年度からの月の乗客数は市のホームページに常時情報公開を行っている。(参照) |
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☆参加者の声 視察会アンケートから | |||
○にじバスは乗降も多く、市民の足となっていると思われます。 ○ルートの中に医療機関・公共的施設を多く採り入れられるコースとそうではない地区があって難しい課題と思う。 ○川崎市は3年間は赤字を覚悟の上、運行実験をすべきだ。こうした試行運行を当たり前のこととして、実施される方向で行政の積極的な応援が欲しい。 ○折角協議会を組織したものを一度解散させていまうと、次に再スタートすることは、非常に困難となることを認識を持って欲しい。 ○乗合タクシーがどちらも駅構内の駅入口階段下まで乗り入れれば、もう少し利用者が増えると思う。(意見交換会で、物理的制約によるものであることを理解しました) ○環境を広く捉えた場合、都市交通対策が重要である。川崎市も早く世界に、また進んでいる日本の自治体に追いつく努力がまたれる。 ○乗客数の増加を測る方法を考え、運行ルートを変更するのも必要。歩行者がほとんどいない地区はバス利用者も少ないと考えられる。 写真は第1班の参加者とぶるべー号 |
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☆岡並木著「都市と交通」(1981年5月20日第1刷) | |||
「小平市はへそがないから、コミバスを実現したら、立派なもんだすよ」と小平市コミュニティバス研究会会長 岡並木氏(1926-2002年)は語ったという。地元の皆様方は今も故人のこの言葉を支えに、コミバス運行を実現していることに誇りを持っている。 1969年、岡氏は日本のジャーナリストとして初めて、交通問題の長期取材に海外へ出かけて先進事例を新聞に発表した、その著書「都市と交通」での問題提起は、30年近くたった今日でも実現に至っていない。氏は同書の「都市を変える」の章で次のように述べている。 「交通の分野にみれば、現代の都市が徒歩どころか公共交通機関の限界をこえた都市構造になってしまったことが、いろいろな難問を私たちにつきつけ始めている。たとえば、自動車による渋滞や排ガス、騒音、振動を問題にする観点から、バス、電車への転換を要求する意見が多くなっている。しかし、だからといってまばらに住みついてしまった人びとを、自家用車に代わって公共交通機関が拾い集めていくことは、客ひとりあたりの輸送コストがおそろしく高くつく仕事になってしまったのではないか。 そのコストを、だれがどう負担するのか。ヨーロッパもアメリカも、ここ15年来(注、2010年では44年以来)、都市鉄道やバスの見直しに努力しているが、運賃でコストをまかなう“運賃原価主義”をいち早く放棄さぜるを得なかったのは、そのあたりに一因があるのかもしれない。 日本でも、・・・などは、都市鉄道が比較的充実し、その沿線に住む人がかなりいるからまだ救われる。しかし、都市鉄道のない中小の都市の責任者までが、人びとが都市を空洞化し、自動車をたよりに郊外へ出て行ってしまうのを傍観、あるいは積極的に推進しているのでは、それを追いかけさせられるバスの経営は苦しくなるのも当然だろう」。 「自動車の普及が変えてきた都市の構造が、市民の快適な生活をどこまでも保障してくれるのなら、そのままでもいい。しかし、そのためには都市の構造をさらに徹底的に自動車の利用に合わせなければならないし、また、老幼貧富の差なくすべての人が自動車を使えるようにしなければないらない。しかし、現実には、そういう都市をつくることは不可能に近い」。 「自動車の普及が私たちの都市の構造を大きく変えたことは事実である。しかし、その変化のマイナスの面だけをみて、自動車を頭から否定し、“締め出す”を叫んでも交通問題の解決にはならない。それだけで公共交通機関はよみがえりはしない。・・都市の構造そのものを、自動車以外の手段に合わせるように考え方をきりかることが、修正の一歩ではないだろうか」 「もう少し市街地に人びとを呼びもどすために、市街地を快適に住める環境につくりなおすことや、運賃原価主義をゆるめて補助金を出し、公共交通機関の連続性の質を高めることに手をつけるべきであろう」。 |
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当日のパンフレット(PDF) 。 | |||
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